安倍晋三首相(60)は、月内に衆院を解散し、12月中に衆院選を断行する意向を固め、与党幹部らに伝えた。また、2015年10月の消費税率10%への再引き上げについて1年半後の17年4月に延期する方針を決めた。17日に公表される7~9月期の国内総生産(GDP)速報値の数値が悪いとみられるため、景気動向の下振れを回避し、政権が最重要課題に掲げるデフレ脱却と経済再生を優先させる。
外遊中の首相は10日、自民党の派閥領袖級に電話で「再増税を先送りし、解散したい」と伝えた。派閥領袖級は解散に慎重な姿勢を示したが、首相の意思は固かったという。
衆院選の時期は「12月9日公示-21日投開票」を軸に調整する。衆院選後に召集される特別国会や組閣の日程もにらみ決定する。
消費税率再引き上げの時期を17年4月まで延期すると、現衆院議員の任期(16年12月)を超えることから、先送りの判断について国民の審判を仰ぐ必要があると判断した。積極的平和主義を掲げて展開してきた「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」についても国民に信を問う考えだ。