10月1日と18日のこのコラムにも記したが、産経新聞社の加藤達也前ソウル支局長が、韓国政府当局によって極めて不当な取り扱いを受けている。何をなすべきかといろいろ考えたが、加藤さんと往復書簡を行い、問題を広く世論に訴えることにした。往復書簡は11月7日付産経新聞に掲載されている。
文学的な不条理下で
筆者は、<加藤さんが現在置かれている状況は、「文学的」だと思います。古くはドイツの作家フランツ・カフカの小説『審判』(1914~15年執筆)、比較的最近ではアルバニアの作家イスマイル・カダレの小説『夢宮殿』(81年)を彷彿させるような不条理な状況に置かれています>とした上で、以下の質問をした。
<この問題は、韓国の国家権力が加藤さん、産経新聞に対してかけた弾圧にとどまらず、日本のマスメディア、記者、「もの書き」全員(そこには私も含まれる)に対する挑発と思います。