弊紙SANKEI EXPRESS連載「日本遊行-美の逍遥」でおなじみの俳優でクリエイターの井浦新(いうら・あらた)さん(40)が手掛けた、北政所(きたのまんどころ、ねね)ゆかりの名刹(めいさつ)、高台寺(こうだいじ)(京都市東山区)の夜間特別拝観のライトアップが話題だ。京都では各寺が趣向を凝らしたライトアップが秋の風物詩になっているが、高台寺は女性を中心に毎年特に人気が高い。写真家としても活躍する井浦さんにとってライトアップは初めての経験。「過剰に演出するのではなく、そぎ落とした演出で、紅葉を最大に見せながら陰を生む『新好み』に仕上げた。自由に見て感じてほしい」と話す。
ライトアップのテーマは「悠久-光と陰-」。メーンとなる方丈(ほうじょう)の枯れ山水庭園「波心庭(はしんてい)」をはじめ、千利休の意匠(いしょう)による2つの茶室「傘亭(かさてい)」と「時雨亭(しぐれてい)」(いずれも国の重要文化財)、さらに竹林や臥龍池(がりょうち)など境内全域にわたってライトアップを施し、「新好み」の幽玄の世界を生み出した。