「次の五輪へ向けて新たな戦いが始まる」。私はそう思って、06~07年シーズンの最終目標を世界選手権に定め、少しでも五輪に近づけるよう、そこに向けて練習に本腰を入れました。
その年の世界選手権は東京開催。2年連続で出場権を獲得した私は、開会式で選手宣誓を行う思い出深い大会になりました。そして、つかの間の休息を取る暇もなく、バンクーバー五輪へ時計の針が進んでいきました。
審判員に名前売り込む
シーズンは1年1年の積み重ねです。五輪の翌シーズンの位置づけを聞かれたら、私は「『次は自分の時代』と名前をアピールするシーズン」と答えます。五輪に向けて練習を積み重ねていくためのステップです。何より、国際大会の審判員に名前を売り込む意味でも大事なシーズンなのです。
採点競技は、選手の印象やイメージの刷り込みも大切です。少しでもインパクトのある結果を残すことで、「この子は演技が美しい」「ジャンプが跳べる」「スピンが速い」などと覚えてもらうことが重要なのです。