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試験区10カ月 遠い「第2の改革開放」 (4/4ページ)

2014.8.1 14:30

上海市郊外に2013年9月に設置された「中国(上海)自由貿易試験区」(FTZ)の管理委員会が入居しているビルで記念撮影する親子連れ。中国初の試みであるFTZが夏休みの人気スポットになっていた=2014年7月29日、中国(河崎真澄撮影)

上海市郊外に2013年9月に設置された「中国(上海)自由貿易試験区」(FTZ)の管理委員会が入居しているビルで記念撮影する親子連れ。中国初の試みであるFTZが夏休みの人気スポットになっていた=2014年7月29日、中国(河崎真澄撮影)【拡大】

  • 中国・上海市

 既得権益層との対立も

 こうした声に対し、FTZを管轄する上海市外国投資促進センターの羅志松主任は席上、「新たなネガティブリストの導入は中国の考え方の転換を意味し、変革は今後スピードアップする。設立から1周年となる9月末にはさらなる政策変化があるだろう」と話して企業側に理解を求めた。

 ただ羅氏は、「ネガティブリストを縮小するにしても、その分野で生きている人々の仕事がかかわっている」と苦渋の表情を浮かべた。例えば金融自由化をとっても、国有商業銀行などの利害を侵害するケースがほとんどで、そうした既得権益層とFTZの間の“対立”が制度改革を阻んでいることをうかがわせた。

 シンポジウムで基調講演した全国政治協商会議常務委員で上海WTO(世界貿易機関)事務諮詢センター総裁の王新奎氏は、FTZとネガティブリストの役割について「中国は従来、開放によって『成長』を促してきたが、今後は開放によって『改革』を促す」と述べて、中国の経済政策が転換点にあると強調した。

 習氏が、●(=登におおざと)氏にも並ぶ経済政策の大変革を中国にもたらした指導者として認められるかどうか。まずは羅氏が指摘した、9月末のFTZ設立1周年までの動きを注視したい。(上海 河崎真澄/SANKEI EXPRESS

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