香港の国際金融センター、セントラル(中環)地区で7月2日未明、香港の選挙制度に対する中国政府の政治介入に反対して座り込みを続けていた市民や学生ら約1000人のうち、民主派のリーダーらが警官隊によって強制排除された。香港警察によると、拘束者は511人に上った。今回の座り込みによって香港中心部では数時間にわたり交通がまひし、民主派が計画している中心部の大規模占拠に現実味が出てきた。実行されれば経済的にも政治的にも多大な影響が出ることは確実で、占拠を回避するため中国政府が民主派に歩み寄るのか、それとも強硬路線を貫くのか、香港情勢は厳しさを増してきた。
「不公正さ世界に」
2日の香港主要紙(電子版)によると、中国返還から17年を迎えた1日午後、香港では主催者発表で民主派による過去最大規模の51万人(警察発表は9万8600人)が反中デモを実施。セントラル地区はその終点だった。
参加者は、2017年に行われる香港トップを決める行政長官選の選挙制度改革で、中国政府が親中派しか立候補できない仕組みを構築しようと介入していることに強く反発。夜を徹して「真の普通選挙を要求する」などとシュプレヒコールを上げ、約17時間半にわたって抗議行動を続けた。