しかしまさにこの映画が狙っているのは劇場にいる人間に修道士と同じ日常を体験させ、その沈黙と向き合わせることだ。この映画の後半、僕は少しだけ気づくことができた。彼らがそこでつくり出す沈黙。そこには人生をかけて神と向き合うことを覚悟した者たちの圧倒的な熱量が含まれていることを。「彼らがそこで何をしているのか?」それを説明によって理解させるのではなく、自分自身の体験として感じること。それがこの映画が観客にもたらしてくれるものだ。覚悟を持って彼らの沈黙と向き合ってみてはどうだろう。その先に、きっと何かが見えてくる。(タレント 篠山輝信/SANKEI EXPRESS)
■しのやま・あきのぶ 1983年12月10日、東京都生まれ。玉川大芸術学部卒業後の2006年春、舞台「ANGEL GATE~春の予感~」で芸能界デビュー。その後、NHK「乙女のパンチ」などドラマや情報、バラエティー番組などで幅広く活躍。現在はNHK「あさイチ」(『ピカピカ☆日本』偶数月リポーター)、NHK Eテレ「しごとの基礎英語」、TBS系「知っとこ!」に出演中。趣味はジョギング、フットサル、タップダンス。父は写真家の篠山紀信氏、母は元歌手の南沙織さん。