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どんな人間にも「暴走」したいことがある 『ガルガンチュアとパンタグリュエル』の包容力 松岡正剛 (1/5ページ)

2014.1.26 10:20

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 【BOOKWARE】

 きのう1月25日、古稀を迎えた。ほんとうは迎えたなんてものじゃなく、勝手に70歳になったにすぎないのだけれど、実は若気の至りのわが27、8歳の頃、「70になったら暴走族!」などと嘯(うそぶ)いていて、そのことを周囲の連中がおぼえていたようで、「松岡さん、いよいよ70歳ですね。暴走族ですね」としきりに囃したてるのである。いつのまにかその70歳になっていたのもショックだが、さあ、松岡さん、これからこそ出番ですよと煽られるのも、妙なものである。

 いや、いまさらナナハンを駆って暴走族ができるわけがない。あえて言うなら「深層で暴走するかなあ」と思うばかりのこと、それならぼくも「深走族」くらいにはなれるのだろうと思いつつあるのが、昨日今日なのだ。

 ルネサンス後期の16世紀、古今東西の世界文学史上、いまもって最高最深最大の「暴走」をテーマにして途方もない作品をつくった男がいた。フランソワ・ラブレーである。日本語訳文庫本で5冊になる大作『ガルガンチュアとパンタグリュエル』を書いた。それも晩年の53歳になって書いたもので、この男はそれまでは敬虔(けいけん)な修道院の僧侶や司祭であって、またリヨンの市民病院の医者だった、解剖学にも詳しかった。それが突如、暴走したのだ。

“のどカラカラ王”と呼ばれた巨人パンタグリュエル

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