スペインは前半20分に失点し、焦りからかミスが相次いだ。パス回しで相手を翻弄する「ティキタカ」と呼ばれるスタイルのリズムを、自ら寸断した。前半43分の2失点目は、直接FKをGKカシリャス(33)が辛うじてパンチしたものの、ボールはよりによって目前の相手の足元へ。簡単にネットを揺らされた。猛反撃に転じた後半も8分にはゴール左約5メートルでフリーのブスケツ(25)が外す始末。無得点に終わった。
前回大会も初戦でスイスに敗れたが、巻き返して世界の頂点に立った。イニエスタ(30)はその再現を期し「W杯決勝のつもりで戦う」と決意を示していたが、2試合で1得点7失点という無残な結果が残った。
調整不足
早々の「無敵艦隊」敗退の原因は、主に3つ考えられる。まず、「調整不足」。レアル・マドリード、アトレチコ・マドリード、バルセロナに所属する14人は、W杯開幕19日前の欧州チャンピオンズリーグ決勝や、その1週間前のリーグ最終戦まで死闘を演じた。チリのホルヘ・サンパオリ監督(54)は「クラブの激しいタイトル争いで、選手たちは明らかに疲弊していた」と指摘。チリ戦の前半で退いたシャビアロンソ(32)は「気持ちの準備ができていなかったし、肉体面もピークではなかった」と打ち明けた。「一歩の遅れ」が自慢のパスサッカーを機能させなかった。