【パラリンピアン・ライフ】
「いま、声をあげないと手遅れになってしまう。世論を少しでも巻き込まないと」。そんな思いがありました。3月末、ソチパラリンピックのメダリストと交流した後、ツイッターやフェイスブックで、パラリンピック専用の強化拠点を整備することに反対を表明しました。
「選手たちの声が届きますように。お金の無駄遣いをせず、使われるべきとことに使われますように」と。その声がどこまで届いたかはわかりませんが、その後、専用拠点は設けず、五輪選手の拠点である味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC、東京都北区)を共用する方針が決まりました。
専用拠点というと聞こえはいいですが、パラリンピックの隔離でしかなく、強化にとってもプラスになるとは思いませんでした。これは、決して独りよがりの考えではありません。実際、日本パラリンピアンズ協会(選手会)がまとめているアンケートでも、9割以上の選手が五輪の拠点との一体化を求めていたのです。
海外に目を移すと、パラリンピックの強豪である欧米諸国は、五輪と同様の強化体制が敷かれています。遠征で一緒になった海外選手からの話に、強化の大きなヒントがあると思うようになりました。