日本にとってのこれからの課題は、集団的自衛権の行使容認に向けて、いわれなき批判の火の粉をどう払うかだ。
米国務省のマリー・ハーフ副報道官が5月16日、出張先のウィーンから電話を通して行った記者会見では、香港のフェニックステレビの記者が集団的自衛権の行使容認について「民主主義に反する安倍首相の行動に懸念はないか」「将来の憲法改正が心配ではないか」とただした。さらに、「米国は常に日本に対して近隣国との良好な関係を保つよう求めている。中韓は歴史問題に非常に敏感だが、日本はこの(行使容認)問題について自制する必要があるとみていないのか」とたたみかけた。
ハーフ氏はこの記者会見で、行使容認をめぐる議論を「歓迎し、支持する」と述べた上で、フェニックステレビの質問には「日本の議論の過程には透明性があり、外国政府にも説明している」と応じた。
日米外交筋は、バラク・オバマ米大統領(52)が集団的自衛権行使の検討に歓迎と支持を表明した4月の日米首脳会談に向けた調整の難しさを次のように明かした。「国務省や国防総省は中国の軍事力にさらされている日本の事情を分かっているが、ホワイトハウスと温度差があった」