イオンは、今回の連合の形成で「(各社の)経営効率化が進むメリットを明確にできれば、独立系の食品スーパーなども参加してくるのは当然」(経営幹部)ともみており、連合の拡大を視野に入れている。
食品スーパー業界では、今年に入って百貨店大手のエイチ・ツー・オーリテイリングと、スーパー準大手のイズミヤ(大阪市)が経営統合を決めたほか、北海道、東北が地盤のアークス(札幌市)と、岩手や宮城で展開するベルグループ(盛岡市)の統合合意など、再編が加速している。
背景にあるのは生き残りへの強い危機感だ。「食品スーパーは人の口の数と胃袋の大きさで決まる」(カスミの小浜裕正会長)と言われる中、地方で進む人口減少と高齢化は市場を縮小させ、地場スーパーの経営基盤を揺るがしている。イオン系の連合は、これらのスーパーを取り込む受け皿ともなるため、競合の流通大手なども巻き込んだ再編の動きを今後加速させる可能性がある。(平尾孝/SANKEI EXPRESS)