≪消費増税前、最後の週末 「少しだけ駆け込み」≫
消費税率引き上げ前の最後の週末となった3月29日、首都圏のスーパーなどは多くの客でにぎわった。飲料や即席麺などをケース単位で購入、カートで車に運び込む姿が目についた。しかし前回の増税直前に比べると、購入品を厳選する消費者の“賢い選択”も浸透。それでも、売り場からは「かえって4月以降の反動減は前回より軽微かも」との楽観的な声も出ている。
「コメが予想以上に売れて品切れだ。昼過ぎには届けてほしい」。ディスカウントストア、ドン・キホーテ新宿店(東京都新宿区)の宮井栄祥店長は29日早朝、仕入れ担当者に電話した。3月下旬に入り、客1人当たりの買い上げ点数は3割増えるなど活況だ。
松屋銀座本店(東京都中央区)では、化粧品売り場が混雑した。化粧品は3月に入り前年同月比55%増と好調。担当者は「10万円以上のまとめ買いは当たり前。見込み以上」と表情を緩ませる。
一方、ヤマダ電機LABI新橋生活館(東京都港区)では、午後2時を過ぎても客足はまばら。ただ増税を意識し、「欲しい商品の型番まで決めて来る人が多く、客数に対して成約率は高い」(新橋生活館の玉井哲平・季節フロア長)。