地元メディアによると、死者にはロシア人や、隣国モルドバの親露分離派地域「沿ドニエストル」の住民が含まれているという。
オデッサは海軍基地を抱える南部の重要都市で、ロシア系住民が20~30%を占めている。2月の政変以後、ロシア語を公用語として残すことなどを求めるデモがたびたび行われていた。(ドネツク 佐々木正明/SANKEI EXPRESS)
≪暫定政権発足後最悪 重軽傷者210人超≫
5月2日、ウクライナ南部オデッサで40人以上が死亡した大規模衝突は、2月に親欧米派路線を掲げる暫定政権が発足して以降、最悪の惨事となった。
これまで比較的平穏とされた南部の大都市でも親ロシア派住民の反発が高まり、治安状況が悪化していることを露呈したもので、国内では5月25日の大統領選挙の実施を危ぶむ声も出ている。
経済の低迷と天然ガス使用をめぐるロシアとの対立で、財政破綻状態に追い込まれているウクライナ暫定政権は、親欧米派の新大統領の下で、米国や欧州連合(EU)から援助を引き出し、事態正常化への第一歩につなげようとしていた。