米国と欧州連合(EU)は、ロシアがウクライナの緊張緩和に向けた措置を取っていないとして、対露制裁を強化した。エネルギーなど基幹産業を標的にした措置には踏み込まず、制裁範囲も限定的なため、直ちに大きな影響は出ていない。だが、度重なる制裁はロシア経済にじわりと打撃を与えているもようで、マイナス成長に陥る恐れも出ている。
基幹産業、標的にならず
米欧の追加制裁が発表された4月28日、外国為替市場では逆に、ロシア・ルーブルがドルなどに対し上昇、モスクワ株式市場でも多くの銘柄が値上がりした。ロンドンの邦銀関係者は「制裁が予想よりソフトな内容だったため」と解説する。
金融市場では今回の制裁措置について、主要な銀行やエネルギー関連企業を標的にするとの見方もあった。銀行やエネルギー関連企業が国外でドルやユーロで資金決済できなくなれば、ロシア経済は桁違いの打撃を受ける。