「王家の谷」など古代エジプトの遺跡で知られるエジプト南部ルクソールで、日本の早稲田大学の調査隊が偶然発見した約3200年前のビール醸造者の墓が、世界の考古学ファンの注目を集めている。墓内部の壁画には、当時の宗教儀式や日常生活が色鮮やかに描かれており、保存状態も良好だ。このため、エジプト考古省では、過去、多くの貴重な発見があったルクソールの遺跡における最も重要な発見のひとつと評価、修復や復元作業を進め、新たな観光資源にしようと意気込んでいる。
壁画の状態「良好」
「古代のエジプトでは、アルコール飲料は非常に重要なものだった。日常的に消費するものというだけでなく、神へのささげものとしての意義も持っていたが、とりわけビールは非常に重要だった」
エジプト研究家で知られる香港中文大学のプー・ムン・チョウ教授は今回の発見の意義についてこう説明する。