【国際情勢分析】
革命やクーデターによる政情不安で観光業の低迷が長期化するエジプトで、本来は商売敵である日系観光業者や日本の旅行各社が「力を合わせよう」と結束、日本人客の呼び戻しに取り組んでいる。日本の旅行大手数社がツアーの再開を検討、2月からの再開を決めた社もあるなど、日本からのエジプト観光に復活の兆しが見え始めた。
旅行各社が直行便再開直訴
「一日も早く直行便を復活して」。エイチ・アイ・エス(HIS)や近畿日本ツーリストなどが参加した日本旅行業協会(東京)の視察団は昨年(2013年)12月上旬、カイロを訪れ、全面運休が続くエジプト航空の成田-カイロ、関西-カイロ便の再開をファデル民間航空相に直訴した。
乗客の少なさから採算が合わず、1回の運航で25万ドル(約2600万円)の損害が出ると渋るファデル氏に、視察団副団長で旅行会社グローバルユースビューローの古木康太郎会長は「ニワトリが先か、卵が先かだ」と迫り、直行便が再開すれば観光客も戻ると訴えた。
日系業者も安全アピール
エジプトの日本人観光業者らでつくる「エジプトランドオペレーター有志連盟」も、主要観光地の治安などに関する視察報告書をまとめ、関係各所に安全性をアピール。