エジプトの危険情報=2014年1月11日現在【拡大】
日本の外務省は昨年(2013年)12月13日、有名観光地のルクソール、アスワン、アブシンベルなどの危険情報を、4段階で最も低い「十分注意してください」に一斉に引き下げた。
世界遺産創設のきっかけとなった古代遺跡、南部アブシンベルの巨大神殿では昨年(2013年)12月下旬、観光シーズンにもかかわらず閑古鳥が鳴いていた。観光業スタッフのラマダンさん(26)は「以前は外国客の中で日本人が一番多かった。危険情報は下がったのに、どうして戻ってきてくれないんだ」と嘆く。
地元ガイドによると、2011年の革命前は5000人の観光客が神殿に押し寄せた日もあったが、現在は30人程度。約150部屋ある神殿近くのリゾートホテルにこの日宿泊した客は3組だった。
それでもウルグアイから新婚旅行で来た電気技師のベンタクルさん(38)は「歴史が好きだから旅行先に選んだ。最高だよ」と満足げ。ホテル従業員は「(2013年)7月のクーデター後の混乱も収まってきたし、直に客足も戻るさ」と楽観的だ。
エジプトで20年近く観光業に従事する石原由加利さん(49)は「今年こそはと念じてはや3年だが、今回の危機がこれまでで一番長く厳しい。業界全体で連携し、14年こそはいい年にしたい」と意気込んだ。(共同/SANKEI EXPRESS)