許氏と一緒に運動を推進し、同じ罪で起訴された数人の活動家に対する初公判もこの日、別の裁判所で行われたが、関係者によるといずれも無罪を主張したという。
公判は即日結審し、近く判決が言い渡される見通し。北京の司法関係者によると、許氏は最高で懲役5年と定められている公共秩序騒乱罪で有罪判決が下される可能性が高いという。
「人権悪化の証拠」
法学者でもある許氏は、北京市内の大学で講師を務めながら、陳情者支援などの社会活動に積極的に参加。北京市海淀区の人民代表大会代表(区議員)も2期務めて体制内から改革を訴えるなど、中国共産党の一党独裁そのものに反対する、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏(58)ら反体制活動家らとは一線を画してきた。
しかし12年末に発足した習近平体制は、知識人に対する締め付けを強化し、許氏とその仲間ら少なくとも20人を逮捕。許氏らの活動を経済的に支援する企業家も拘束した。許氏をよく知る改革派知識人は「政府に反対しない許氏のような穏健な知識人まで裁かれるようになった。中国の人権状況が以前と比べて悪化した証拠だ」と話している。