物語では奄美大島に暮らす16歳の少年少女を主人公にしました。2人はまだまだ危うい気持ちの純真無垢(むく)な思春期にあります。人間の心はどうしようもなく複雑であいまいなものだからこそ、「2つ目の窓」は心の成熟を自然という名の神から学んでゆく物語になればいいなと願いを込めました。
この映画は単なる恋愛物語ではなく、2人と彼らを取り巻く大人たちの姿を通して、人間の魂は同じところへ還(かえ)りつくんだというメッセージを込めました。映画の中で流れる時間は、奄美大島で力強く生えているガジュマルの葉を揺らす風を意識して切り取ったものです。(取材・構成:高橋天地(たかくに)、津川綾子/撮影:写真家 別府亮/SANKEI EXPRESS)