≪見捨てられない、という自信≫
強いつながり 誰かが助けてくれる
誰も(私を)見捨てない。そんな自信が持てるのは、私が集落に育ててもらったからだと思います。
3歳くらいのころ、両親は毎日、隣町に仕事に出かけました。私は幼稚園にも保育園にも行かず、家でお留守番。でも大丈夫でした。集落の畑に行けば、そこで働くおじいちゃん、おばあちゃんの誰かが、お昼ご飯を食べさせてくれるんです。
集落には夕方になると、縁側で三味線をひくお兄さんがいて、4歳のとき初めて私に三味線を弾かせてくれたのは、その人でした。
飼っていた犬がいなくなって一生懸命探す私を見かねて、山についてきてくれたのも、血のつながらない、集落のおじちゃん。誰もそんなことを頼まないのに。
島で育ったという感覚が、私を支えている。そう感じます。
島に帰ったのは「仕事を続けたいし、両親が近くにいると協力してもらえる」という事情もありました。でも一方で、いつかそうするのが当たり前だという感覚がありました。