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新春インタビュー 映画監督 河瀬直美さん(2) 美しく荒々しい自然 共に生きる (4/5ページ)

2014.1.15 16:46

奄美大島の人々が「2つの海が見える場所」と呼ぶ高台から望む東シナ海(左)と太平洋(右)。2つの海は徒歩で10分もかからない距離にある=鹿児島県大島郡龍郷町(別府亮さん撮影)

奄美大島の人々が「2つの海が見える場所」と呼ぶ高台から望む東シナ海(左)と太平洋(右)。2つの海は徒歩で10分もかからない距離にある=鹿児島県大島郡龍郷町(別府亮さん撮影)【拡大】

  • 映画監督の河瀬直美さん=2013年12月10日、東京都千代田区(野村成次撮影)
  • 鹿児島県・奄美大島は奄美市、瀬戸内町、龍郷町、大和村、宇検村の1市2町2村。奄美市には4万4515人が暮らす=2013年12月31日現在

 種を植えて、芽が出ても、9月、10月という一番実り多き収穫の時期に全部台風に持っていかれ、農作物は壊滅的な打撃を受ける可能性もあるんです。それでも農家の方はめげずに春には再び種を植えていく。そういう繰り返しの中で生きているんです。

 彼らは簡単にはあきらめないという強い精神を持っているのではないだろうか。彼らの精神世界を肌で感じました。

 聞けば、奄美大島では10月に台風が来ることはあまりないそうです。だから種下ろしや集落の敬老会が催されるみたいなのですが、昨年(2013年)は本当に台風が多くて。私たちが10月中を撮影期間に設定したのも、9月で台風シーズンはある程度終わると聞いていたからなんですよ。

 シナリオに台風の場面を入れたのも、ものすごい勢いで風が吹き付けて海の表情が変わっても、それを享受する人間のありようを描きたかったからです。凪の美しい世界と、人々の生命をも奪ってしまう荒々しいものが、「海」という1つの言葉のなかで毎日違う表情を見せ、音を奏でる。そんなことも映画では描けたと思います。

奄美大島で力強く生えているガジュマルの葉を揺らす風を意識

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