≪おおらかで、美しい言葉たち≫
感謝も思いやりも 島唄で歌い継ぐ
「とうとぅがなし」という島口(しまぐち)(方言)が奄美にはあります。
感謝を表したり、神様に祈るような言葉です。子供のころ、おなかが痛いと「とうとぅがなーし」って、おじいちゃん、おばあちゃんが言いながら、おなかをさすってくれました。
仏壇に手を合わせたり、間もなく台風が来るというとき「被害が出ませんように」と祈ったり、それから飲み過ぎた人にも「とうとぅがなし」。今でも言います。この一つの言葉が、いろんな場面で思いを伝えてくれる。美しくて、懐の深い言葉が、奄美にはあります。
そんな島特有の「言葉」は、のんびりした調子。島の人同士が話すときの「言葉の旋律」に、心が安らぎます。
かといって、奄美の言葉や会話には物事の「芯」を突く、ストレートな強さもあります。居酒屋で島の人同士の会話を聞くと、「きつい」と感じる方がいるかもしれません。