中国の実業家で慈善活動家としても知られる陳光標氏(45)が、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の買収に意欲を示し、1月5日から社主側と交渉に入るとぶち上げた。陳氏は、その派手な言動がたびたび「売名行為」とひんしゅくを買う一方で、NYTに日本批判の広告を出すなどの愛国主義的な行動でも有名。買収はNYTを通じ中国の主張を世界に広めるのが狙いとみられる。NYT側は買収を完全否定しているが、実現すれば日本にとっても無視できない問題となりそうだ。
「ニューヨーク・タイムズの世界的な影響力は非常に大きい」
米中の複数のメディアの報道によると、陳氏は昨年(2013年)12月30日に開かれたイベントで報道陣に買収意欲を表明した。1月5日にNYT側の代表者に会うと説明した上で、「1人では難しいが、香港の他の大富豪たちにも話を持ちかけた。彼らも私と協力して買収したがっている」と明かした。NYTの時価総額は約24億ドル(約2500億円)に上るが、すでに約10億ドル(約1050億円)の資金調達にメドを付けたという。