【国際情勢分析】
韓国経済は対外貿易が国内総生産(GDP)の約半分を占めるほど貿易に依存しており、中でも中国は輸出入ともに最大の貿易相手国となっている。韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権が中国に急接近したのにはこうした背景がある。もちろん反日姿勢を崩さない朴槿恵大統領(61)にとって、対日外交で中国と共闘しようという思惑もあるだろう。
朴槿恵氏は自由民主主義と資本主義体制という同じ価値観を持つ米国と同盟関係を維持しながら、人権が抑圧され自由も制限された共産党一党独裁国家、中国とも良好な関係を築いていくというバランス外交を目指しているようだ。
寝耳に水の防空圏設定
バランス外交は二股外交とも言える。米国と中国のいずれかを選択しなければいけない事態が起きた時、韓国は試される。中国が先頃行った、日本に対する挑発とみられる東シナ海上空への防空識別圏設定は、韓国には「寝耳に水」だったはずだ。