円安でも貿易収支赤字が増え続けている。量で見ると、輸出は東日本大震災後、最近に至るまで下落基調が止まっていない。輸入量は2010年初めから増加の一途をたどり、アベノミクス開始後は伸びが止まったものの、高水準のまま推移している。
リーマン後、さらに東日本大震災後の超円高局面で、日本企業は海外生産拠点を増強し、そこからの部品・完成品の輸入を増やしている。日本からの現地への輸出型から、現地から日本への輸出型へとビジネスモデルを切り替えたのだ。それを元にもどすのは、さらに円安を促進し、定着させるしかない。
緩和の他にも手を
問題は14年4月の消費税増税後だ。日銀の政策委員会の大勢は来年の消費者物価上昇率を消費増税の影響分を含め3%前後とみているが、1年物定期預金の利率は0.2%に過ぎない。インフレ分を勘案すると家計資産はかなり目減りする。