大企業に円安の恩恵
グラフは、昨年10月または7~9月期を100とした各種経済指標である。円安で株価はグンと押し上げられている。
ところが、家計消費水準は消費税増税前の駆け込み需要のある住宅を除けば1年前より悪い。株高による高揚感は、東京・銀座の欧州製高級車店をブランド物で着飾ったセレブでにぎわしているだけのようだ。
製造業で円安の恩恵を受けているのはもっぱら大企業である。アベノミクス開始後、中小企業は逆に収益を減らしている。
勤労者は3%以上賃上げがないと懐具合は悪くなる計算だが、企業雇用の3分の2を担う中小企業の多くは今でも円安に伴う仕入れ原材料コストの上昇を販売価格に転嫁できない。