中国メディアによると、東シナ海防空識別圏の設置によって、中国空軍のこの空域における活動範囲はこれまでの10倍から12倍に拡大した。しかし、その多くの部分は日本の防空識別圏と重なっている。
「圏内を飛ぶ飛行機は、飛行計画を中国外務省または航空当局に提出する義務を負う」上、「中国国防省の指示に従わなければならない」との規定は、この空域で訓練や演習を行う航空自衛隊や在日米軍の活動を制限したい思惑があるとみられる。
しかし、中国軍はこれまで、日本の防空識別圏を「国際法上の根拠がない」と批判し、戦闘機などを頻繁に進入させてきた経緯がある。日米両国は今後、中国の防空識別圏を無視してこれまで通りの活動を続ける可能性が大きい。
しかし、その際、中国空軍が過激な反応を示せば、武力衝突の危険は一気に高まる。日中関係筋は「中国がこのタイミングで防空識別圏を設置したことは、東シナ海を危険な海にする危ない行為だ」と批判した。