楊報道官はまた「準備が整い次第、ほかの防空識別区を順次設置する」と明かし、領有権をめぐって東南アジア諸国と対立する南シナ海上空周辺でも防空識別圏を設置する用意があることを示唆した。
不審機の領空侵犯を防ぐ目的で設定される防空識別圏は、日本などは設定してきたが、中国にはなかった。昨年9月の尖閣諸島国有化以降、中国機はたびたび日本の防空識別圏内へ進入、挑発行為を繰り返している。(北京 矢板明夫/SANKEI EXPRESS)
≪強兵路線、一層鮮明に≫
中国政府が東シナ海で防空識別圏を設置した背景には、日米同盟と対抗する意図がある。今月(11月)中旬に発表された中国版NSC「国家安全委員会」の設置計画と並び、習近平政権の“強硬姿勢”を国内外にアピールする狙いがあるとみられる。●(=登におおざと)小平(とう・しょうへい)時代以来の中国で30年来続けられた、主要国と対立せず低姿勢を貫く「韜光養晦(とうこうようかい)外交」が終了し、中国が“強兵路線”に転じたことを強く印象づける。