約1時間のクルーズ。川を囲む建物の景観に圧倒された。ブルボン宮、オルセー美術館、ルーブル美術館、ノートルダム寺院、そしてエッフェル塔。セーヌ川が、パリのど真ん中を東西に貫通し、都市がその流れに沿って発展してきたことが実感できる。在住の友人の言葉を借りれば、パリはまさに「初めにセーヌありき」の町なのだ。
両岸にブキニスト
セーヌ川に浮かぶシテ島。紀元前3世紀、この島の集落からパリの歴史は始まったといわれる。ノートルダム寺院や裁判所などが立ち並び、観光客でにぎわう島を挟む川の両岸に、世界中でここしか見られない珍しい光景が広がっている。
「ブキニスト」と呼ばれる小さな青空古書店が並ぶ古本市だ。大きなトランクやリサイクルボックスのように見える木やブリキで出来た深緑色の箱が、両岸の道の低い石塀に約3キロの長さで、連なっている。箱のふたを開けて組み立てるだけで、たちまち青空本屋がお目見えする。