東京・井の頭自然文化園でくらしていた日本最高齢のゾウのはな子が今年5月、69歳でこの世を去りました。それから2カ月余りが過ぎた今も、ゾウ舎には1万5千通を超える手紙や花束などが山積みされています。はな子への愛が満ちた空間には平日も、大勢の人が訪れています。
はな子と私が最初に会ったのは幼稚園の遠足でした。それから何度ここを訪れたでしょう。父母と一緒に。それからデート。最近は子供を連れて。時が流れて、相手は変わってもいつも同じ場所にはな子がいる。私のように親子3世代で見てきた人はそんな安心感を覚えていたのかも知れません。
敗戦後の日本人を元気づけたいとタイから贈られたはな子の一生は日本の戦後と重なります。7月中旬からは、その生涯を描いた特設展示が始まっています。9月3日にはお別れ会。骨は東京・上野にある国立科学博物館に標本として保存・展示することも決まりました。
安らかな眠りにつけるのはもう少し先かもしれませんが、それは衰えぬ人気の証しでもあります。ファンだった私も、はな子に心から「ありがとう」と「お疲れさま」といわせてもらいます。
<プロフィル>
わたなべ・ゆうき 元NHKキャスター(首都圏・福島局)。現在は子育てしながら、企業イベントの司会、ナレーター、ニュース情報番組リポーターとして活動中。
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