きっかけは昨夏の写真投稿SNSインスタグラムに掲載された1枚の写真でした。洞窟を通り抜ける清流と差し込む朝の光。春と秋には日差しが水面に反射して美しい光のハートを描きます。「まるでスタジオジブリの世界」と注目された千葉県君津市の「濃溝(のうみぞ)の滝」です。
7月の日曜日には5千人以上が訪れ、今や県内有数の人気観光スポットです。立役者は地元亀山地区に住む「亀の子会」代表の伊原弘晃(ひろみ)さん。亀をテーマに何か出来ないかと思っていたところ、滝にある岩が甲羅や頭に見えることに気づきました。一緒に活動するいとこに話すと「確かにそう見える」。
そこで洞窟を「亀岩の洞窟」と命名、約10年前から写真を撮り続け、最寄りの駐車場のトイレの壁に貼っていました。まず、地元のカメラマンが足を運ぶようになり、徐々に知名度も上がりました。そしてインスタグラムに濃溝の滝として掲載され、人気に火が付いたのです。
洞窟は、蛇行した川の土地を水田に転用するために江戸時代に掘削されてできたものです。苔を帯び、丸みを帯びた岩壁は350年の歴史を感じさせます。少しずつ人が集まり、10年かけてブレイクしたさまは、一歩ずつ進んでゴールに着いた亀の確かな歩みのようです。
<プロフィル>
さわの・ゆき 日本道路交通情報センターを経てbayfm情報アナウンサー。トレイルランニング&大会MCは12年目。
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