東京にある熊本県のアンテナショップ「銀座熊本館」で常に上位人気に入っている素朴な菓子があります。熊本方言で「手軽な団子」という意味の「いきなり団子」。団子を「だご」ということもあります。小麦粉の生地で地元産のさつまいもを包んで蒸すのですが、あんや黒糖、紫いもなども一緒に包み、家庭や店で少しずつ違うという生活に根付いた菓子です。
いきなり団子専門店の一つ、熊本市内にある長寿庵は4月の熊本地震で工場と店舗が被災。無事だった冷凍の在庫を少しずつ出荷しながら、復旧を待ちました。現在工場の操業はほぼ通常通りにまで回復したものの、天井など建屋工事はこれから。JR熊本駅内の店も駅の耐震補強のため仮店舗での営業と、まだまだ道半ばです。
それでも、代表の足立明弘さんは「心が折れそうになったときや、力が出ないときに食べてもうひと頑張りとしようと思ってもらえるように丁寧に作りたい」と話します。
元々は県北の菊池市や玉名市などで農作業の合間に食べられていた元気の源。「団子食て、がまだせ!(だんごを食べて、がんばれ)」。熊本の生活に溶け込んだ団子を作る湯気には、そんな決意が込められているように見えました。
<プロフィル>
ふじい・けいこ テレビ長崎、TVQ九州放送出身。慶応義塾大SFC研究所上席所員。ティーインストラクター。
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