奈良県明日香村の国営飛鳥歴史公園で9月26日に開かれた、刀剣「石切丸(いしきりまる)」と「子狐丸(こぎつねまる)」の特別展示や刀匠らによる講演などのイベントには女性を中心に約千人が集まった。
山形県米沢市の同市上杉博物館でも、短刀「五虎退(ごこたい)」の特別展示の初日(9月1日)には長蛇の列ができた。丸亀市の展示会も含め、「予想以上に遠方からの若い女性が多いことに驚く」と、関係者らは口をそろえる。
刀女子の1人、東京都板橋区の自営業、石田尚子さん(29)は「キャラクターを好きになると、その元になった刀の生い立ちや人生を深く知りたくなった」と話す。高知市の会社員の女性(27)も「刀に興味を持つ人は歴史好きが多いと思う。刀を通して地域の歴史や文化に触れるのも面白い」と、その魅力を語る。
丸亀市立資料館の関野真樹館長は「文化財そのものを目にするとその良さは必ず伝わる。きっかけが何であれ、文化財の価値を多くの人が見いだし、歴史に関心を持つ人が増えることはとてもうれしい」と話す。
ゲームをきっかけに、刀剣の文化的・美術的価値を再認識する女性たち。こうした現象はしばらく続きそうだ。(前川康二)