幽霊を切った
名刀に伝わる不思議な伝説やエピソードも刀女子にはたまらない魅力だ。
ニッカリ青江は京極家の初代藩主、京極高和の伯父、忠高が豊臣秀頼から拝領した刀(長さ60・3センチ、反り1・2センチ、元幅3・1センチ)。夜中に、“にっかり”笑う女の幽霊を切り捨てたというのが名前の由来という。大正4年まで同家で家宝として受け継がれていた。その後、流出したが、平成9年に丸亀市が所有者から買い取った。
展覧会では、日本美術刀剣保存協会讃岐支部のメンバーが「ニッカリ青江」を前に、名前の由来やもとは長さ75センチを超える太刀だったことなどを説明。高知市の派遣社員、村上伊代さん(31)は「いくら見ていても飽きない」と、ガラスケースに収まった刀身の美しさに目を輝かせた。
刀女子の中には模造刀を購入する人も多く、熊本市の会社員の女性(26)は「7月にネットで『三日月宗近』の模造刀を買った。部屋に飾って眺めています」。また先のアルバイト女性(22)は「本物の日本刀も欲しいんですが…。キャラクターの元になった刀は国宝級で手に入らないし、模造刀で我慢しています」と話した。