「エロス」だけではない成人映画の魅力
「ピンク映画は日本文化の一つ」。青春時代、足しげく同館に通ったという50代後半の男性はそう言い切った。
男性は館内での露出行為については「ここ(新世界日活)は他と比べてまだマシな方だ。ひどい映画館なら客への注意すらしない。なくなってしまうのは本当に惜しい」と漏らした。
風前のともしびとなりつつある成人映画だが、中高年層にはいまだ根強い人気を誇っている。
AVに比べ、ストーリー性が重視されているのが成人映画の特徴だ。別の男性は「AVは性描写そのものだが、映画は案外ソフト。『見えそうで見えない』ところがまたいい。中には、感動させる作品もある」と魅力を語る。
「おくりびと」で知られる滝田洋二郎監督や、「トウキョウソナタ」の黒沢清監督はともに成人映画出身だ。