“日陰のエロス”成人映画の悩み 後絶たぬ露出行為、痴漢スポット… (1/6ページ)

2015.10.24 17:18

9月30日で閉館した「新世界日活」=大阪市浪速区

9月30日で閉館した「新世界日活」=大阪市浪速区【拡大】

  • 9月30日で閉館した「新世界日活」。成人向け映画館として愛されていたが、館内ではいちゃつくカップルやのぞき目的の客らによる常識外れの迷惑行為も横行していたという=9月15日、大阪市浪速区
  • 亡くなった夫の秀太郎さんの写真を前に、かつてのにぎわいについて話す橋本芳子さん=大阪市浪速区の橋本土地興行
  • カップルシート(右奥)もあった新世界日活の館内=大阪市浪速区

 昭和の風情漂う大阪・新世界の成人向け映画館として愛された「新世界日活」(大阪市浪速区恵美須東)が9月末に閉館し、40年の歴史に幕を下ろした。娯楽の多様化に伴い、近年は入館者数が激減。館内で露出行為に及ぶ客も目立ち、対応に苦慮していた。全国の成人向け映画館で閉館が相次ぐ中、“露出狂”の存在は運営側にとって共通の悩みの種だ。「視姦してください」「妻をさらします」…。インターネット上の掲示板は過激な書き込みであふれ、今や一種の「痴漢スポット」になってしまっていた。成人映画の全盛時代を知るファンからは「純粋にポルノを楽しめない」との嘆きが聞こえる。新世界日活の閉館当日もマナーをわきまえない客がいて…。(矢田幸己)

 AV、ネット動画で衰退

 9月中旬の平日午後、新世界日活の館内。仕事の休憩中に足を運んだのだろうか、スーツに身を包んだサラリーマン風の男性2人がスクリーンの映像を眺めていた。

 新世界日活を運営する橋本土地興行社長、橋本芳子さん(71)によると、「ここ10年ぐらいの見慣れた光景」。1日の入館者数を数えるのに、両手で足りる日も少なくない。

「昔の新世界はまさに一大映画街だった」と振り返る

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