“日陰のエロス”成人映画の悩み 後絶たぬ露出行為、痴漢スポット… (2/6ページ)

2015.10.24 17:18

9月30日で閉館した「新世界日活」=大阪市浪速区

9月30日で閉館した「新世界日活」=大阪市浪速区【拡大】

  • 9月30日で閉館した「新世界日活」。成人向け映画館として愛されていたが、館内ではいちゃつくカップルやのぞき目的の客らによる常識外れの迷惑行為も横行していたという=9月15日、大阪市浪速区
  • 亡くなった夫の秀太郎さんの写真を前に、かつてのにぎわいについて話す橋本芳子さん=大阪市浪速区の橋本土地興行
  • カップルシート(右奥)もあった新世界日活の館内=大阪市浪速区

 日活新作映画を初上映する封切館として昭和29年に開館。20年代当時は映画ブームの最中で、界隈(かいわい)には日活だけでなく、東宝や大映など10軒以上の映画館でにぎわった。かつてを知る関係者は「昔の新世界はまさに一大映画街だった」と振り返る。

 今年3月に87歳で亡くなった芳子さんの夫で、先代社長の秀太郎さんと親交が深かった宍戸錠さん、高橋英樹さんら“日活黄金時代”の銀幕スターも舞台あいさつで同館をたびたび訪れたという。

 ただ、テレビの普及とともにブームは下火に。経営難に陥った日活は40年代半ばから制作費が安上がりの「エロス路線」へ切り替えた。同館も入居ビルの老朽化で51年に現在の建物に移ってからは約200席に縮小し、日活の主流だった「ロマンポルノ」を上映し始めた。

 人気を集めたのもつかの間。今度はアダルトビデオ(AV)が登場し、映画館まで足を運ぶ人は次第に少なくなった。63年には日活もロマンポルノの製作を打ち切った。インターネット動画の普及も成人映画の衰退に拍車を掛けた。

わいせつ行為をする客が後を絶たないことに頭を痛めていた

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