この検査結果を役立てる方法は、ほかにもあるのだろうか。近所のクリニックで先生に聞いてみた。
筆者「病院で受診するときに、遺伝子検査の結果を持ち込めば、先生はそれを参考にするのでしょうか」
先生「私の専門は内分泌内科なので、あまり遺伝子検査を参考にすることはありません。ただし、専門によっては貴重なデータになるはずです。例えば大腸がんなどは、遺伝子的な傾向がわかれば参考にすると思いますよ。検査結果を持ち込めば、大いに役に立つと思います」
数日後、上腹部などに痛みがあったので別のクリニックを受診した。筆者の食道がんの発症リスクは平均の2.61倍。「MYCODE」によると、食道がんは初期の自覚症状がほとんどなく、早期発見には内視鏡検査などが効果的だという。先生に遺伝子検査の結果を見せると「そうですか。では内視鏡で見てみましょう」。鼻から入れる胃カメラ(経鼻内視鏡検査)で食道や胃、十二指腸を検査した。異常は見られず、とりあえず安心した。
病気にかかるリスクを少しでも減らすには、自分の体質を知り、体に合った生活習慣を身につけることが大事。それを手助けする「遺伝子検査サービス」がさらに普及すれば、個人レベルでの疾患予防や対策が当たり前の時代になりそうだ。