進化する心臓ペースメーカー 心室細動の治療、MRI対応も (3/4ページ)

2014.1.26 12:04

「ペースメーカーは小さくなり、患者の負担も少なくなった」と話す福並正剛大阪府立急性期・総合医療センター副院長=大阪市住吉区

「ペースメーカーは小さくなり、患者の負担も少なくなった」と話す福並正剛大阪府立急性期・総合医療センター副院長=大阪市住吉区【拡大】

  • 心臓再同期療法後の胸部レントゲン写真(右)では、鎖骨下部に埋め込まれたペースメーカーから2本のリードが心臓の左右に伸び、心臓も小さくなっている(福並副院長提供)

 その結果、当初は1回の左心室の拍動による血液の駆出率は33%しかなかったが、3年後には63%と健常に近い状態になり、心臓の大きさも正常に戻った。

 突然死の予防

 心室が小刻みに震えて拍出の機能を失う心室細動は突然死につながる。この際、電気ショックを与えて回復させるのが「植え込み型除細動器」。この自動除細動機能と一体になったペースメーカーも登場している。心不全と心室細動は関連して起こることが多いため、このタイプの装着を希望する人は多く、現在は全国で年間約6万人のペースメーカーを植え込んだ患者のうち約3900人に装着されており、さらに増える傾向にある。

 医療機器の発達に伴う電気的なトラブルを防ぐタイプも登場した。脳卒中などの有力な画像診断装置であるMRI(磁気共鳴画像装置)は強力な磁場を発生するため、ペースメーカーの電子回路が熱を持つなど使えない状態になる。

条件付きで可能な機種が開発、使用されている

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