桜井センター長は「後遺症との共存患者が減る。小児がん治療による後遺症治療は公費負担だが、陽子線治療で負担も小さくできる可能性は高い」と指摘。そのうえで、「陽子線治療施設のない英国はドイツでの治療費と渡航費を国が負担する。欧米同様、小児がんへの陽子線治療は公費負担で、適切な診療報酬を設定すれば国内の民間施設も小児がん治療に取り組むはずだ」と話している。
【用語解説】陽子線治療
放射線療法の一つ。加速器で原子核の陽子を加速して作った陽子線を用いる。体に当てると一定距離まで進んで停止する性質がある。この際、エネルギー量が最大になるため、病巣周辺の正常組織の損傷はエックス線治療より低減される。