2人に1人が罹患(りかん)し、3人に1人の死亡原因といわれる「がん」。経済的な負担も高い治療に備えるのががん保険だが、医療環境の変化に伴い、加入時期によっては保険金が支払われないケースもある。保険内容の確認が必須だ。(日野稚子)
高額化する治療費
東京都練馬区の主婦、A子さん(69)は2年前、貧血悪化のため受けた大学病院の内視鏡検査で、大腸がんが見つかった。切除手術を受け、入院は16日間。「人生初の入院で、がんと言われて長期入院を覚悟したが、こんなに早く退院するとは思わなかった」
厚生労働省の患者調査では、平成23年の結腸・直腸の悪性腫瘍による平均在院日数は17・5日。14年調査では大腸がんは同34・1日で、この9年で半減した。生活総合情報サイト「All About」医療保険ガイドでファイナンシャルプランナー、松浦建二さんは「他のがんも同様の傾向で、入院日数は減少し、通院は長期化している。保険の加入時期によっては十分な保障を受けられない可能性もある」と指摘する。