病気の早期発見や健康管理のため、年に一度は検査を受けたい。しかし、拘束時間が長かったり、検査に苦痛を感じたりするなどの理由から受診しない人も多い。こうした中、採血だけでがんや脳梗塞など罹患(りかん)の可能性を判定する新たな判定法が登場、受けられる医療機関が増えている。(日野稚子)
3段階で提示
食品大手の味の素が開発した「アミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)」は、血液中の遊離アミノ酸20種の含有量を測定・解析することで、胃がんや大腸がんなど6種のがんの可能性を割り出すサービスだ。平成23年度から医療機関に提供を開始し、現在は全国約780機関が採用している。自由診療で費用は異なるが、最多価格は1万9千円前後。約5ミリリットルの採取血液から、胃、大腸、肺(いずれも男女)、前立腺(男性)、乳、子宮・卵巣(いずれも女性)のがん罹患率を判定する。
AICSでは血中の遊離アミノ酸20種の含有比率が健康な人とがん患者で異なり、がんの種別によって異なることも利用。6種のがんについて、AICS値(0~10)を算出し、ランクA(0~4・9)、B(5~7・9)、C(8~10)の3段階でリスクを提示する。