--長年苦楽を共にしたB747はどんな存在なのか
「人としてみると感情が入ってしまうから、そう見ないようにしている。機械なので不具合の原因を突き止めれば、ちゃんと答えてくれる。だからこそ五感をフルに使って整備するやりがいがある」
--今年3月31日にB747が日本の空から全て引退するが、今の率直な思いは
「整備士の立場から言えば、B747はまだ飛べると思っている。ただ、引退は時代の流れかもしれない。寂しいが、最後はゆっくりと見送ってやりたい」
《全日空は昭和54年に国内線でB747の運航を始め、61年に開設した成田-米ロサンゼルス線に投入。同社の国際線拡大の一翼を担った。一時は47機を保有したが、経費削減の一環として燃費性能が劣る同型機の退役を今年3月に行うことを決めた。日本航空も一時は100機以上保有していたが、平成23年3月にすべて退役させた》