リンはタンパク質を多く含む食物に多いため、これまで「タンパク質制限=リン制限」と考えられてきた。しかし、タンパク質は必要以上に制限すると低栄養となるリスクがある。必要なタンパク質量を確保しながらリンを減らすには、リンを多く含むタンパク質食品を避けるなどの工夫もいる。リン含有量の多い食品は、チーズ▽牛乳▽ししゃも▽ナッツ・豆類▽ファストフード▽インスタント食品▽スナック菓子▽ハム▽魚肉ソーセージ▽かまぼこ-など。
市川部長は「お節につきもののかまぼこ、だて巻き、ハムなどはリンが多いので要注意。ただ、ごちそうが全てだめというわけではなく、治療用特殊食品やリン吸着薬などを利用するのもいい。何をどう制限すればいいか分からない人は管理栄養士に相談してみてほしい」とアドバイスしている。
【用語解説】CKD
慢性腎臓病。腎臓の濾過(ろか)機能が低下、または尿たんぱくなど腎臓の障害がある状態のいずれかが3カ月以上続く症状。糖尿病や高血圧などの原因が多い。GFR(糸球体濾過量)の数値によって5段階に分類。数字が大きくなるほど重症度が高く、ステージ5は腎不全で透析一歩手前の状態。