その中で登場したのが、“目力”看板だった。
“目力”看板は、「誰かに見られている」との深層心理に訴える手法。市の担当者が、ある海外のインターネットサイトに掲載されていた、駐輪場に目のポスターを貼ると自転車盗が減少した-という記事を読んで、思いついた。
モデルには、市の担当課で「最も目力が強い」と言われる若手男性職員(25)を抜擢(ばってき)。この看板の効果はてきめんで、市によると、5~7月に実施した調査では、放置された自転車やオートバイなどは1日30~40台だったが、“目力”看板12枚を設置以降、1日3~15台にまで激減した。
モデルの男性職員は「まさかこんなに効果があるなんて。当初は自分の顔が並んでいるのは恥ずかしかったが、放置自転車対策のために一肌脱ぎました」と照れ笑い。「目力よりも、まゆ毛の濃さが効果的だったのでは」と分析している。