インドは、大きな鉄道脱線事故3件が昨年11月から今年1月にかけて立て続けに発生し、鉄道の安全性を問う声が上がっている。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどによると、3件の事故での死者数は約200人に上る。国営インド鉄道の人員不足や近代化の遅れが改めて浮き彫りになった。
昨年11月20日、北部ウッタルプラデシュ州カンプール付近で151人が死亡する脱線事故が発生。その後も、12月28日に同じカンプール付近で63人が負傷する脱線事故が発生、さらに年が明けた1月21日にも南部アンドラプラデシュ州クネルで急行電車が脱線し、少なくとも40人以上が死亡した。
事故原因はいずれも調査中で、運行妨害の可能性もあるとされている。しかし、同国は以前から国営インド鉄道の設備・施設の老朽化や人員不足が指摘されてきたこともあり、改めて鉄道全般の安全性を問う声が相次いだ。
専門家によると、インド鉄道は安全に関わる部門の人員不足が14万2000人に達している。1月の事故が発生した東部海岸鉄道でもエンジニア1571人、警備員67人、信号通信士93人などが不足しており、安全に関係の深い部署での空白ポストが4分の1もあるという。