短時間でも経験を生かせる仕事をしたいというニーズに応える企業も出てきている。人材派遣会社のビースタイル(東京都新宿区)は、正社員経験のある女性らを、時短で企画、営業や専門性の高い業務へ派遣する「時短エグゼ」を展開する。リクルートホールディングスも基幹業務に時短のアルバイトなどを採用し、専門性に見合う給与を支払うと発表した。
それでも、正社員以外の働き方に転じると所得が減ったり、経験が評価されなくなったりする例が多い。育ててきた人材が失われる企業にとっても痛手だ。
政府は9月、女性活用を促すため、残業抑制を柱とする「働き方改革」の議論を始めた。リクルートワークス研究所の石原直子研究員は「企業や職場が『フルタイム勤務なら残業するのは当然』という認識を改めることが重要だ」と話している。