ワーキングマザーの間で、短時間勤務(時短)が適用されなくなる時期に派遣など非正規の仕事に変わる「時短切れ転職」が増えている。残業の多い職場に復帰し、子育てが立ちゆかなくなるケースがほとんどだ。育児休業など両立支援の枠組みは整えられつつあるが、残業が乗り越えられない壁となっている。
「育休は問題なく取れる。でも復帰した女性の多くは、残業がネックになり辞めていった」。高野佳奈子さん(36)=川崎市=は、営業職の正社員として働いていた前の職場を振り返った。
高野さんは長女が3歳になった2月、午後4時半までの時短勤務が切れるタイミングで転職し、契約社員として働く。
終業時間の午後6時半に会社を出ても、保育園に着くのは午後8時すぎ。「同僚は残業や夜間の呼び出しをこなしており、毎日定時で帰るのは難しかった」という。