2016.4.9 06:41
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日、軌道上でトラブルが起きたエックス線天文衛星「ひとみ」について、運用停止も視野に入れた検討を始めた。2016年度中に予定する別の科学衛星の打ち上げ計画に影響が出る可能性もあるとしている。
同日までの分析で、姿勢制御用の装置が壊れてガスが噴出するなどの異常が起きた可能性があることが判明。機体は約5秒に1回の速さで激しく回転しており、遠心力によって太陽電池パネルの一部や、観測に必要なアーム状の伸展装置が脱落したとJAXAはみている。
JAXAの常田佐久理事は同日の記者会見で「重大な事態になった」と話した。米軍がレーダー観測で捉えた10個以上の物体は、衛星本体や脱落した部品の破片らしい。ひとみは伸展装置を含め全長14メートルだが、すばる望遠鏡の観測では、衛星本体は数メートルの大きさしか残っていないとみられる。